こんにちわー。にわとりナースです。新プリセプターちゃん達に指導時の、ヒントを一つお話ししたいと思います。指導をするときに、どんな順番で、どんな風に指導を進めていけば良いのか?悩みますよねーー。わかるわかる!!とっても、難しい。でも、知識・技能の指導方法は、その内容を少し、分類分けすることで、整理して指導するイメージが掴めると思います。その事についてお話します。
まずは、見学!!見学のみ
おそらく、どこの病院でも新人指導の際、まずは見学からと言われていると思います。でも、見学からと言われても、一緒に準備していると、言いたくなる・・・!!『これって、どうして、必要と思う?』『これと、これは何が違うと思う?』『学校で習ったよね』などなど。でも、待って。見学からなので、新人さんに、質問をするのは、パニックを引き起こしてしまう、要因になってしまいます。新人さんに、問いかけるのはフィードバックをする時まで、我慢してみてください。プリセプターさんが、一方的に説明するのは、大歓迎ですよ。
知識を、分ける!!
知識には、一般知識・専門知識と、言うものがあります。専門知識とは、今回は看護師さんに特化した知識のことです。ちょっと例を挙げてみますね。
例 バルーンチューブ挿入に対しての知識分け
一般知識 | 専門知識 | |
羞恥心への配慮 (カーテンの使用など) | 挿入の目的が理解できている | |
処置を始めるとき・終了時の声掛け | 適切なチューブの選択を知っている | |
後片づけ | 必要物品を知っている。 | |
適切な体位を知っている | ||
清潔操作で処置を行うことを知っている | ||
処置の手順を知っている |
と、まあこんな感じかな?もっと細かく分けても良いけど、あまり細かすぎるとゴチャゴチャに、なってしまうので。
手技の実施を行う前に、事前学習を行ってもらうと思います。その学習が終わり、段階を踏んでいよいよ次は実施。
技能を、分ける!!
技能には、運動技能・知的技能と、言うものがあります。
- 運動技能とはマニュアル通りに行えば、だれでもできる範囲の技能。
- 知的技能とはマニュアル通りに行いながら、アクシデント対応・他のフォローもできる技能。
簡単に言うと、プリセプティは、運動技能を行い、プリセプターは、知的技能を使って足りていないところを、補足する。と、言う事になります。
例 バルンチューブ挿入に対しての、技能分け
運動技能(プリセプティ) | 知的技能(プリセプターの援助) | |
物品の準備 | 準備の漏れがないかの確認 | |
患者への声掛け | 声掛けの補足 | |
羞恥心への配慮 | 配慮の補足 | |
挿入体位の保持 | 患者に合った体位の選択を行い、保持の解除 | |
手技の実施 | 手技の流れを説明しながら、清潔操作の見守り | |
尿の流出を確認したカフの固定を促す | ||
ウロバックが、きちんとロックできているかの確認 | ||
間違いなく手技がおこなわれているかどうかの確認は随時行う | ||
患者への声掛け | 声掛けの補足 | |
後片付け | 患者の体位の整頓・環境整備・後片付けの漏れがないかの確認 |
上記の様に、技能を分けると、新人さんが行うこと、プリさんが指導する所が、なんとなく分けることが出来ませんか?実際に患者さんに、処置を行っている場面では、注意をすることは控えてください。前回のブログにも書きましたが、人は緊張の中注意をされると、頭の中が真っ白になってしまい、その後の行動がうまく行えなくなる事が多いから。プリさんは、根気よく新人さんの手技を見守り、終わった後に、フィードバックを行ってみてください。出来たところを、認めて、足りなかった所がどこか考えてもらい、次に生かすことが出来るよう指導できたらと思います。
簡単な、レベルから!!
同じ、バルンチューブ挿入の手技でも、患者のレベル(拘縮の有無、男性、女性、小児など)により、難易度は変わってきます。新人さんが、初めて・または経験回数が少ない間は、行いやすい患者から実施できるよう、他スタッフの協力を求めても良いかもしれません。新人さんには、最初に成功体験を得てもらって、自信に繋げてもらった方が、良い成長につながると思います。
大切なこと!!
上記の、運動技能・知的技能の表ですが、指導時・フィードバック時にしてはいけない事、と言うか、なるべく控えてほしいことは、新人さんに、知的技能の項目を求めない。と言う事です。新人さんは、本の上では、知識も技能も学習していますが、経験としては、ゼロの状態です。マニュアル通りに手技を行う事できっと一生懸命。見られながら、手技を行う事にも緊張していることでしょう。運動技能が、確立していないときに、知的技能の部分を求められると、パニックになり、何をどうしたらよいのか分からなると思います、昔の指導者さんがよく言っていた、『何回目』?』『いつになったら、一人でできるようになるの?』と言う言葉は、運動技能習得中に、知的技能も要求していたことが少なからず影響していました。また、知識の部分では、専門知識のみを、学校では習っています。一般知識の部分は、各自の家庭環境・各自の価値観によるものです。自分の、一般知識(常識)が、新人さんにとっての、一般常識ではないかもしれません。専門知識以外のことで、足りていないところは、ただ教えてあげてもらえたらなと思います。この知識の部分も混同して、指導を行ってしまうと、遠い将来ただの悪口に、発展することもあるかもしれません。
おわりに
今回は、バルンチューブ挿入を例に、指導方法の一例をお話しさせてもらいました。
現状は、とても忙しく、ゆっくり指導する時間などなかなか、無いと思います。ただ、知識・技能は分けて考えて指導する方法もあるのか。と、知っていてもらえるだけでも、何かの役に立つことがあるかもしれません。今回のお話は、前回のブログの、続きになっています。良かったら、前回の“はじめてのプリセプター。ドキドキ・ハラハラ”も読んでみてもらえると、うれしいです。https://niwatori-nurse.com/preceptor
次回も、指導の具体的な例について、お話できたらと思います。
頑張れ!プリセプターさん達!!
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