段階的指導のヒント まずは運動技能!! 

看護

こんにちわー。にわとりナースです。今日は、毎日何気なく私たちが行っている業務の分け方について書いていきたいと思います。経験年数の長い看護師さん達は、毎日業務を流れるように行っていると思います。でも、この行動は、時間をかけて確立されたものです。自分では意識していなくても、運動技能・知的技能(他の知識・能力も必要ですが、今回は省略)を無意識に掛け合わせ、その結果の行動・判断をしていることがほとんど・・・だから、新人さんがなぜ、出来ないのか?なぜ分からないのか?何に時間がそんなにかかるのか?が分からずに、どういえば伝わるのかに悩むこと多いと思います。そんな時に、少しでも参考になればと思い、技能の分け方について少し書いていきます。

技能を分ける??

技能には2種類あって、運動技能・知的技能があります。今回は、運動技能に特化して書いていきたいと思います。

運動技能とは、なんぞや??

一言でいうと、『マニュアル通りに行えば、1人で出来る技能能力』です。学校で習ってきた・もしくは職場のルールに乗っ取って、ケア・業務・処置が行える能力のことになります。なので・・

  • マニュアルに載っていないことは、運動技能ではない
  • 知識として知っているだけでは、獲得できない
  • 反復が必要
  • 技能の確立には個人差がある

マニュアルに載っていないことは、運動技能ではない

ほとんどの、病院にはマニュアルというものがあると思います。指導をする際にはそのマニュアルを使って実際の指導を行っていくと思いますが、書いてある事柄が運動技能になるので、それ以外の追加処置・行動は運動技能ではないと言う事になります。例えは・・・・点滴方法・膀胱カテーテル留置方法などでいうと。

  • 血管の出にくい患者に対しての対応方法は書いていない
  • 駆血帯の締め具合は書いていない
  • 針を抜く時の詳しい方法は書いていない
  • 拘縮の酷い患者に対しての行いやすい体位の選択
  • 尿道口の分かりにくい患者の実施           などなど

知識として知っているだけでは、獲得できない

これは当たり前なことですが、知っているだけではただの知識であって技能は全く身についていないと言う事です。もちろん看護師としての知識がある、と言う事は大前提になりますが・・だから、復習と言うことも含めて事前学習は必要になってきます。

反複が必要

実際に初めて手技を行う際は、だれもが自信もなく不安になることが多いと思います。1回2回経験したところで完全にマニュアル通りに行える人は、なかなかいないと思います。ましてや、奇襲の大きい処置ともなれば緊張するのが当然な事と思います。なので、何度も経験すると言う事が必要になります。それも、成功体験の経験が必要で、失敗経験を最初にしてしまうと、自信の喪失・恐怖心を植え付けてしまうこともあるので、注意が必要となります。

技能の確立には個人差がある

これも、当たり前のことで性格・技量によって差があります。フィードバックを行いながら、反復回数の設定の検討が必要となる場合もあります。

運動技能の例(表にしてみた( ´艸`))

膀胱留置カテーテル挿入
   運動技能      必要な知識知的技能
物品の準備物品の場所は指導必要準備の漏れがないかの確認
患者への声掛けマニュアル通り声掛けの補足
羞恥心への配慮マニュアル通り配慮の補足
挿入体位の保持マニュアル通り患者に合った体位の選択を行い、保持の解除
手技の実施マニュアル通り手技の流れを説明しながら、清潔操作の見守り
尿の流出を確認したカフの固定を促す
ウロバックが、きちんとロックできているかの確認
間違いなく手技がおこなわれているかどうかの確認は随時行う
患者への声掛けマニュアル通り声掛けの補足
後片付け病棟の決まり事は指導必要患者の体位の整頓・環境整備・後片付けの漏れがないかの確認

このように、表にしてみると運動技能がどの部分なのか、分かりやすいと思います。反対に考えると、運動技能以外の事柄は、新人さんに求めてはいけない部分と言う事になります。この技能分けは、他の処置・観察・報告にも当てはまります。そして、この部分を集中的に指導していくことが大事になってきます。

なぜ新人指導に、運動技能習得が大事なのか?

新人さんは、専門知識を知ってはいるが、実際に見たり経験していることはほとんど無いに等しいと思います。初めての社会人でもあるでしょう。そのようなひよこちゃん達を指導するときは、やはりある程度段階的に順序良く指導するほうが、理解を得られやすいと思います。運動技能の習得とは、まず正しく1人で出来るようになることなのです。この部分をしっかりと育てていかないと、次のステップに進んだ時に、『何回もしているのに、出来てない』『まだ、こんなことも出来ない』という事を招きやすくなってしまいます。まず、正常と異常の判断が出来るようになる事がとても大事なことだと思います。

おわりに

新人さんが、決められた事・必要な事が、1人で出来るようになるためにプリさん達は一生懸命に、指導してくれています。出来るようになるだけではなくて、自分で考えるようになってもらう事も必要です。指導中たくさんの悩み事が出てくると思います。残念ながら答えのマニュアルはありません。仕事も生き物で、流動的に変化しているものですから。この技能を分けて、考えるという事が、皆さんのお役に少しでもなれたらなと思います。  

最後まで、読んでいただきありがとうございました。

がんばれ!!プリセプターさん達!!!

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