透析を、長期にされている患者さん。結構体の機能全てが、悪くなっています。
そんな方は、本当に状態が、急に変わる事が、多かったです(´;ω;`)
今回は、そんな方の、お話です・・・
なぜ急変が多いの?
透析。健康な方は、することのない処置です。
透析をするためには、体の中から、大量の血液を器械に、
送り込む必要があります。その量は、最低180ml~
一気に、その量の血液が、体の中から抜けるのです。
速度は、1分間で、180ml~。Σ(゚Д゚)
献血したことありますか?献血は、400ml献血が、今は主流ですが、
時間をかけて、行いますよね(^▽^)/
しかも、看護師さんは、じっと横にいて、『気分悪くないですか?』
と、離れることはありません。
無事、献血が終わっても、必ず血圧を測って、色々説明をしてくれます。
30分は、献血ルームにいないといけないとか・電車で帰る時の注意とか・・・
献血をした、本人は結構『大丈夫なのに。そんなに心配しなくても・・』
と、思うほど(;^ω^)
でも、血液が体の外に出てしまうという事は、
それほど注意しないといけないほどの、処置なのです。
話は戻って、透析をしている方たちは、週に2~3回、大量の血液を、
体の中から出して、戻すという事を、繰り返し行っています。
出しても、戻すからいいじゃん!!と、思う方もいるかもしれませんが、
人の体とは、そんなに簡単なものでは、ないのです。
血圧の、上昇・下降、心臓への負担は、健康な人には、
理解しがたい、体験をしているという事です。
抵抗力や・体力が落ちている時、高齢の方は、その負荷は倍増してしまいます。
急変のリスクが、高いのも、仕方がないのかもしれません
『今、大丈夫って言ったのに。なぜ(´;ω;`)』
序章
この日も、私は準夜勤務。(15:30~00:00)
申し送りを、受けてさあ、仕事!!!
今日透析をしたBさん。
年齢は、70代くらいで、10年以上透析をされている方。
病気は、高血圧・糖尿病・心不全なども併発している方でした。
透析中も、ちょっと血圧が低くて、透析回収後も、血圧低めです。
と、申し送りで、送られました。
気になったので、1番に、訪室して、バイタル測定をしていました。
本編
Bさんは、ベットに横になっていました。
顔色は、あまりよくありませんでしたが、しっかり、お話されています。
私『今日の、透析きつかったですか?』
Bさん『うん。ちょっときつかったねー。』
私『ちょっと、ゆっくりしていた方が良いですね』
Bさん『ご飯まで、ゆっくりしとくわ』
私『血圧も、まだ低いですね。(たしか、100台だったと思います。』
Bさん『まだ低いねー。』
私『大丈夫??』
Bさん『うん。だいじょうぶ・・・・』
血圧計を、片付けながら、Bさんに『何かあったら、すぐ言ってくださいね』と、
声をかけましたが、返事がありません。
『あれっ?』と、思って、Bさんを見ると、グッタリしています。
『おや??』声をかけながら、血圧を再度測定
血圧は、80台は、ありましたが、反応が無い。
これは、いかん!!と、ナースステーションへ。
主治医が、いましたので、すぐに報告。
『先生、Bさんが、変なんです』(新人あるある。要点を報告できない(;^ω^)
『んー?どうしたの?何が変なのかな?』と、先生。
私は、上手く伝えることができず、『とにかく変なんです。早く来て下さい(´;ω;`)』
それしか言えず、救急カートをもって、先生と、Bさんの所へ。
先生は、Bさんを見て、『本当に変だね』『挿管!』と。
それから、バタバタと、挿管・心臓マッサージなどの処置を行いました。
応援の先生を、2人呼んで、救命処置1時間。
でも、Bさんは、戻ってくることはありませんでした。
結論
救命処置を、していても、なぜか一向に心臓が動き始めませんでした。
普通は、発見が早ければ、戻ってくることがほとんどなのですが。
今回の発見は、早期も早期。だって、今まで、話をしていたのですから(´;ω;`)
そして、すぐに、処置を始めたのに(´;ω;`)
先生達も、そう思ったらしく、救命処置中に、エコー機を持ってきて、
という言葉。
検査室から、エコー機を持ってきて、心臓を見ていました。
原因は、『心タンポナーゼ』
心臓を、包んでいる膜(心膜)と、心臓の間に、通常以上の水が溜まり、
心臓が、動いてもから回らりしてしまい、動かない。
動かす方法は、心膜の間に溜まっている、水を的確に抜くこと。
エコーを、見ながら、必死に先生たちは、処置をしていましたが、
それも、叶わずの結果となってしまいました。
病気を、たくさん併発していて、高齢で透析をしていた、Bさん。
最後の、『うん。だいじょうぶ・・』は、きっと大丈夫ではなかったと、
思います。
患者さんの、『大丈夫』は、本当の事もあれば、ウソの事もあるのだと、
実感した瞬間でした。
看護師は、患者さんを、よく見て、本当はどうなのか?を、
判断する能力も、鍛えていかないといけないのかもしれません。
実は、この日は、ものすごく忙しい日となるのですが、この件は、
この日の仕事の始まりなのでした(;^ω^)
その事については、また、つらつらと、書いていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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