よく聞くフィードッバクという言葉。言葉は知っているけど、よく意味が分からない。そもそもなぜ必要なのか分からない。どんな風にすればよいのか分からない。分からない事づくしの指導者さん達にヒントを1つお伝えしますね。
新人さんの指導で、すごく重要な関わりポイントが、フィードバックだよ!
んー。言葉は知ってるけど、具体的に何を言ってあげたらいいのか、よく分かんない・・・
よく陥りがちなのが、いつのまにかフィードバックじゃなくて、指導者さんの意見・指導で終わってしまう事だよね。
いつも、私ばっかり話してる気がする・・・
フィードバックって何?
日本語では、『振り返り』になります。行動を、振り返ってみよう!という事ですね。
そもそもなぜ、フィードバックが必要なの?
人が成長するときに、無意識でやっていることは、このフィードバックです。初めて自転車に乗る練習をする時。テストで欠点をとって再試テスト勉強をする時。やってみて、どこが出来て、どこが出来なかったのかを確認して、じゃあどうすれば良かったのかの改善点を見つけて、行動を修正する。そして再度チャレンジをして、良い結果を手に入れる。この行動がフィードバックなのです。
確かに、無意識にやってるかも・・
新人さんは、初めての行動ばかりで今、目の前の事だけしか見えていませんし、その行動に一生懸命で、人の話が聞こえていないことが多いと思います。
そんないっぱいいっぱいの新人さんの頭の中を、整理整頓するためにフィードバックという手法を使っていくと、いいよねと言いう事です。
どんな時に、すればいいの?
- 『1つの行動が終了したとき』
- 『行動が停滞している時』
- 『相手にフィードバックを求められたとき』
特に新人指導で使うシチュエーションは、1つの行動が終了したときかな?
まぁ、具体的に言うと業務終了後かな。
どんな風に進めていったら良いの?
フィードバックをする時に、気を付けることは『事実のみを伝える』
良かった点を確認する。
準備をして、行動に臨むと思いますが、目標通りに出来たことは、これからも継続できるようきちんと認めていきましょう。ここは、指導者さんが率先して、良かった点・継続してほしい点をたくさん見つけてあげてください。小さなことでもよいのです。
- 笑顔で対応していた。
- 元気にあいさつが出来ていた。
- 自分で物品準備するのは初めてだったのに、不備なく準備出来ていた
- 前回の課題が、きちんとクリア出来ていた。
- 失敗せずに、目標を達成できた。 などなど、きっとたくさん出てくると思います。
新人さんにも、聞いてみて何が出来ていたのかを、考えてもらってみて下さい。
あくまでも、事実のみだけで良いのです。
褒めて、伸ばそう!!って感じ!
改善点を確認する。
反対に目標通りに出来なかったことの、改善点を確認しましょう。何が足りなくて、出来なっかたのか?どの部分が出来なかったのか?を一緒に考えてみましょう。例えば・・
- 点滴をとる際、針は上手くさせたが、駆血帯を外すのを忘れてしまい、逆血でシーツが汚れた。
- あいさつが、出来ていなかった。
- 片付けが出来ていなかった。
- 声が小さかった。
- バイタルサインの異常値の報告が遅れた。
- 発熱患者さんの、再検を忘れていた。 などなど。
この改善点(問題点)を確認するという事は、実は看護師さんはすごく得意な作業です。ここで、注意してほしいことが、事実のみの確認で良い。という事です。
この部分で、こうしてなかった。あーしてなかった。どうしてここ見なかったの?事前学習してたよね。って言っていたらいつのまにか、私ばっかりが喋っているのよね。
分かるわ。いつのまにかフィードバックじゃなくて、指導者さんの意見・指導で終わってしまう事だよね。ちょっと、一方通行な感じになるかなぁ・・
でも、一番大事なことは、新人さんに考えてもらって、次の目標を明確にする事なんだよ!
こんな、失敗をしてしまった。だから次はこうしよう・こうやってみよう・こうしてみるのはどうなんだろう?と、新人さんに色々考えてもらう事が重要になってきます。
改善点の確認(問題点の洗い出し)の時点で、指導者さんの意見がたくさん入ってくると、自分で気づくチャンスを逃してしまうかもしれません。この段階では、『事実確認』だけをするようにしてみて下さい。
具体的な、改善方法を一緒に考える。
改善点を確認したら、なぜそれが出来なかったのか?なぜそれをする必要があったのか?を一緒に考えて、アドバイスしてみて下さい。
例 バイタルサインの異常値の報告が遅れた。
- なぜ早く異常の報告をしないといけないのか、についてアドバイス
- その時の新人さんの、心理状態を聞いてみて、アドバイス
- もし、自分が患者ならどうしてほしいか考えてみるアドバイス など
新人さんの、その時点での知識レベル・心理状態を振り返ってみる。
これ結構大事なところ・・
- そもそも、異常に気付いていたのか?
- 異常には気づいていたが、まだ他の患者さんのバイタル測定もあったから、後回しにしたのか?
- 異常という事は分かっていたが、他のことに気をとられ、うっかり忘れてしまったのか? などなど・・・
その後に、具体的な改善方法を考えてみましょう。このように、順序立ててフィードバックすると、問題点がはっきりと見えてきやすくなります。問題点がはっきりすれば、それに対しての改善方法を考えることができます。指導が上手くいかない理由は、問題点がはっきりしない・または本質から外れているから、指導・アドバイスが、ぶれてしまうことがほとんどなのです。
新人さんの問題点を、どれだけきちんとつかむことができるかが、鍵だよ!!
次の目標に繋げる。
ここまで来ると、あとは次回に向けての準備とシュミレーションを行うだけです。そして、またチャレンジして、フィードバックをする。この繰り返しで、基本的な運動技能を習得していきます。
https://niwatori-nurse.com/gaidansu 運動技能・知的技能を分けてみよう編
目標を明確にすることで、新人さんのモチベーションアップにもつながりやすくなると思います。
目標がはっきりしていると、何をしないといけないのか、何が足りないのか、自分でも気づきやすいよね。
まとめ
フィードバックの目的は、現時点での問題点を明確にして気付いてもらうことだと思います。新人さんは、分からない事が分からない状態ですので、指導者さんからの指摘・アドバイスをうまく理解できない事が多くあります。基本的な運動技能習得期間から、自分で考えて問題解決能力を付けてもらうためにも、うまくフィードバックを利用してもらえたらと思います。
フィードバックの目的
- 目的・目標を達成させるため
- 問題点を明確にするため
- 改善方法を明確にするため
- 相手のモチベーションを向上させるため
- コミュニケーションを増やし、信頼関係を深めるため
最後までお読みいただきありがとうございました。
大丈夫。みんな最初は新人でした!
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